相談いただける症状SYMPTOM

  1. トップ
  2. 相談いただける症状
  3. 腰痛

腰痛

腰痛の原因

腰痛をこれまで感じたことのある方はどれほどいるでしょうか?

厚生労働省の統計『平成28年国民生活基礎調査』世帯員の健康状況・性別にみた有訴者(病気や怪我等で自覚症状のある者)率の上位症状によると、男性の1位が腰痛、女性は肩こりに次いで2位が腰痛との結果となっています。

なぜこれほどまでに、腰痛の方が多いのでしょうか?

「腰痛」は病気の名前ではありません。

腰部を主とした痛みや張り感などの症状をまとめて「腰痛」と呼びます。 一時的な腰痛もあれば慢性的な腰痛もあります。また、腰に原因がない腰痛もあるのです。年齢を重ねることで起こるものもありますが、その多くが原因不明とされるケースが多いのです。

腰痛

厚生労働省のHP内に掲載されている「腰痛対策」の文書では以下のように記されています。

『医師の診察および検査で腰痛の原因が特定できるものを特異的腰痛、厳密な原因が特定できないものを非特異的腰痛といいます。病院の外来を受診する腰痛患者のほとんど(約85%)は原因の特定できない非特異的腰痛です。』

医療先進国のひとつである日本においても、腰痛の85%の方が「厳密な原因が特定できない状態」にあるのです。

特異的腰痛と呼ばれるものには、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折、がんの転移、筋肉の炎症、内臓疾患などがあります。

非特異的腰痛はいわゆるぎっくり腰や慢性腰痛などを示します。

腰痛の方の85%がぎっくり腰や慢性腰痛。本当にそうなのでしょうか?
ここでは、特異的腰痛とされる代表的な疾患について説明しながら、非特異的腰痛について説明していきます。

特異的腰痛と非特異的腰痛の割合

特異的腰痛

医師の診察および検査で原因が特定できる腰痛のことです。腰痛の原因の例をご紹介します。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎は人の身体の背骨の一部で腰周辺に5つ(4つや6つの方もいます)ある骨です。

椎間板は腰椎と腰椎の間にあり、線維輪と髄核から形成されており、せぼねをつなぎクッションの役割をしています。加齢による変化や悪い姿勢での作業や動作によって、その一部が飛び出してきて主に足に行く神経を圧迫することで症状が現れます。

腰やお尻の痛み、足の痛みやしびれ、足に力が入りにくくなるなどが主な症状です。20代~40代で発症される方が多いです。

腰椎椎間板ヘルニアとは

脊柱管狭窄症

脊柱管とは椎骨が連なってできたトンネル状の管のことを言い、管の中に脳から続く脊髄神経が収まっており、脳脊髄液で満たされています。脊髄神経は腰椎部では馬尾神経や神経根になっています。加齢によって、神経の後ろ側にある黄色靭帯が分厚くなったり、椎体と椎体の間にある椎間板が突出する腰椎椎間板ヘルニアになったり、あるいは骨そのものが変形突出したりすることで脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される病気のことを脊柱管狭窄症と言います。

特徴的な症状は、坐骨神経痛と間欠跛行です。50代以降の中高年に発症される方が多い疾患です。

坐骨神経痛

長い距離が歩けない

脊柱管狭窄症とは

背骨の種類

圧迫骨折

圧迫骨折でも、腰に痛みを生じます。前かがみや寝返り、ただじっとしているだけでも痛みを感じる方もいます。

圧迫骨折は、外からの衝撃が原因となることもありますが、その多くは骨粗鬆症が背景にあります。骨粗鬆症は閉経以降の女性に多い為、圧迫骨折も女性の発症が多い疾患です。骨粗鬆症は背骨の密度が低下し骨が脆くなってしまうことで、くしゃみや咳、しりもりをついた衝撃で起こす方、気がつかないうちに骨折していた方(いつのまにか骨折)などほんの些細な衝撃で骨折を起こしてしまうのです。

圧迫骨折とは

がんの転移・内臓疾患・筋肉の炎症

癌が背骨に転移した場合や、腎臓や膵臓、子宮や卵巣などのご病気でも腰痛症状が発生することがあります。脊椎専門病院で精密検査や診察を行い、腰椎に原因となるものが見つからなかった時には、他のご病気の可能性が考えられるかもしれません。

また、腰に過度の負荷がかかることで筋肉に炎症を起こし腰痛が起こることがあります。安静にすること、炎症を抑える内服や湿布等の外用薬で軽快することが期待できるでしょう。また、原因となった負荷のかかることを控えること、生活習慣を見直すことが必要となります。

非特異的腰痛

慢性腰痛やぎっくり腰(急性腰痛症)

慢性的に腰痛のある方やぎっくり腰を繰り返す方など、厳密な原因が特定できない腰痛を非特異的腰痛と言います。腰痛患者の85%はこのような原因が特定できない腰痛と言われています。

しかし、原因が無いのではなく、原因を見つけられていないだけという可能性があります。

これまで、整形外科等でMRIやCTを撮っても原因がはっきりわからなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、MRIは撮影方法によって症状の原因となるものが写っていないことがあります。同じカメラでも、一眼レフカメラで撮影した写真とガラパゴス携帯で撮影した写真の画質や精度が全く違うように、MRI検査も撮影方法によって見え方や精度が違うのです。

当院は脊椎専門病院ですので、MRIやCTの撮影方法を提携している検査センターに細かく指示し行っております。また、患者様のこれまでの経過(いつ頃からどのような症状がでたのか。どのような治療を行い、結果どうだったのか。現在辛い症状はどのような症状かなど)も細かく伺います。問診は診断を行う上で非常に大事な判断材料になります。

的確な画像、患者様の問診、神経学的所見(神経の反応や筋力の強弱)がそろって、初めて正しい診断が行えます。慢性腰痛、ぎっくり腰を繰り返す方の中には原因が特定できる「特異的腰痛」である可能性があるかもしれません。まずは一度、脊椎専門病院での診察をお勧め致します。

お問い合わせご予約CONTACT

受付時間 火~土曜 9:00~12:00/14:00~17:00(完全予約制。まずはお電話ください)