手術のご案内SURGERY / TREATMENT

圧迫骨折の手術 V-P

Vessel-Plasty(椎体増幅形成術)略称V-P

手術と言っても、「注射で、背骨に骨セメントを注入するシンプルな治療法」です。
日帰りで、早く痛みが軽減し、ご高齢の方には、是非おすすめいたします。

特長

  1. 即効性があり、すぐに痛みが軽減
  2. 日帰り治療
    (入院なし)
  3. 局所麻酔、手術時間30分
    (体の負担が少ない。一般の病院におけるBKP(経皮的椎体形成術)では、“全身麻酔”。)
  4. 新しい「骨セメント」
    (V-Pの骨セメントには、人の骨となじみやすい成分が含まれ、固すぎず、固まる際に発生する熱も65℃以下。一方、一般病院のBKPは、熱が90℃の高温まで上がるため、周りの骨にダメージを与えてしまうリスクがある。)
  5. 安全性が高い
    (特殊メッシュ袋の使用により骨セメント漏れを防止。同時に、骨形成もスムーズに行われる。)
  • 自費診療ですが、安全度が高い手術です

対象となる方

  • 尻もち、くしゃみなどで背骨がつぶれて(圧迫骨折)、痛みにお困りの方
  • 過去に圧迫骨折になったことがあり、今でも日常での動きや寝返りなどで、痛みにお困り方

手術の説明

骨折部に特殊な骨セメントを注入し、背骨を復元することで、痛みを取る手術です。

一般的に圧迫骨折の治療は、数ヶ月間コルセットで固定しながら自己治癒の力で折れた骨折部位がくっつくのを待つというのが第一選択肢となることが多いです。なかには痛み止めを飲んで安静にしていなさいと指示される場合も見受けられます。しかし、それでは骨粗鬆症を持っている人や特に新陳代謝の衰えたご高齢者は上手く骨がくっつかずに辛い痛みが続いてしまうことが多く、折れた所がぐらぐらと日常の些細な動作で骨と骨がぶつかり合うように動くので激しい痛みを伴い生活に支障をきたします。

痛みがあると動くことが少なくなり、そのため筋力・体力が低下してしまい、そのまま寝たきりなってしまうなど弊害も懸念されます。

東京腰痛クリニックでは、1日でも早く痛みのない日常を取り戻して、寝たきりなどにならないように、特にご高齢の方、骨粗鬆症がある方には早期の手術をお勧めしています。

正常な背骨

正常な背骨

圧迫骨折

圧迫骨折

手術

手術

手術後

手術後
正常な背骨

圧迫されてつぶれた部分にメッシュ袋を挿入して、骨セメントを注入して安全に骨を増幅形成します。

圧迫骨折

人工骨・歯・珊瑚に含まれる成分を用いた特殊人工骨(骨セメント)を注入します。

東京腰痛クリニックでは、骨折の状態により手術方法を検討致しますが、多くの場合、折れた背骨の中にメッシュ状の袋を入れ、その中に特殊は骨セメントを入れ骨を安定化させます。メッシュを使用することで骨セメントの脊髄腔への漏れや肺塞栓などの危険が比較的少ない手術です。

手術は局所麻酔で行い、体への負担も少ないためその日のうちに歩いていただけます。傷も内径3mm程の針を圧迫骨折した骨の中に刺し込み行う手術のため非常に小さく目立ちません。

メッシュ状の袋の中に注入する骨セメントも、通常使われているものよりも高熱の発生が少なく、硬さも骨により近い特殊な骨セメントを用いています。30分程度の手術になります。

新しい骨セメント

当クリニックのVessel-Plasty(V-P)術と従来の術式(BKP:保険適用)とでは、骨セメントの成分に違いがありますので、比較して説明します。

骨形成を促進

Vessel-Plasty(V-P)の骨セメントには、人間の骨や歯の主成分である「ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)」等が含まれており、骨組織との融合性が高く、骨形成を促進します。

一方で、従来からの骨セメント術(BKP : Balloon Kypho Plasty)には、上記の成分は含まれていません。

周囲の骨を傷めない

V-Pで使用する骨セメントは、固まる際に発生する熱が65℃以下と、従前に比べて低い温度です。また、固すぎず、上下椎体に及ぼす影響も抑えられます。

一方で、従来からのBKPで使用されるの骨セメントは、固まる際に90℃以上の熱が発生するため、周囲の骨が壊死するリスクが有ります。

術式 Vessel-Plasty
(新セメント)
BKP
(従来のセメント)
骨形成を促進する成分
含まれる
(骨組織との融合性が高く、骨形成を促進)
×
含まれない
患部周辺の骨の壊死リスク
抑えられる
固まる際に発生する熱が65℃以下。人の骨に近い硬さ65mPaのため、隣接骨への衝撃が少ない。
人の骨と同等の硬さ65mPaのため、隣接骨への衝撃が少ない。

リスクあり
固まる際に90℃以上の熱が発生し、骨芽細胞の壊死を起こすリスクがある。
固まる際にガスが発生し、不整脈や血圧低下をおこしやすい。
硬度が100mPaと高く、隣接骨折が生じやすい。

特殊なメッシュ袋

Vessel-Plasty(V-P)術では、骨セメントを注入する際に、特殊なメッシュ袋を使います。メッシュ袋の有効性について説明します。(従来の術式(BKP:保険適用)ではメッシュ袋は使わず、骨に直接骨セメントを注入します。)

背骨の復元効果

V-Pは、メッシュ袋の中に骨セメントを注入していくので、骨の内部から周囲への圧が均等にかかり、骨折した部分を「面」で幅広く押し上げていくため、つぶれた背骨の高さの復元に効果的です。

一方で、従来からのBKPでは、骨の中に風船を入れて膨らませることで空間を作りますが、その後、風船を抜いてしまうため、空間の一部が元に戻ってしまう場合があります。また、骨セメント注入時でも、骨の内部から周囲への圧が局所的に「点」でかかるため、つぶれた背骨を押し上げていく効果には限界があります。

骨形成の効率性

骨セメントは、メッシュ袋の中で背骨を押し上げていくだけでなく、メッシュ網目のすき間から袋の外に徐々に染み出し、周囲の海綿骨組織と絡み合い、骨折部分を安定化させることができます。

治療の安全性

V-Pでは、メッシュ袋を背骨に挿し込み、そこに骨セメントを注入しますが、メッシュ袋を使うことで、従来の骨セメント術(BKP)で問題となっていた骨セメントの骨外への漏れ出しを防ぐことができ、手術の安全性を高めました。

術式 Vessel-Plasty(V-P) BKP(従来の術式)
つぶれた骨の高さの復元
特殊なメッシュ袋を使うため、つぶれた背骨の高さの復元に効果的
骨形成の効率性
骨折部分を安定化させることができる
治療の安全性
メッシュ袋により骨セメントの骨外への漏れ出しを防ぐことができる

骨セメントの骨外への漏れ出すリスクがある

V-P使用器械と鉛筆の比較写真

注:鉛筆は大きさの比較のためにおいてあります。

手術のリスク・副作用等について

  • 術後血腫
  • 感染
  • 神経損傷

当グループではこれらの可能性を低減するべく、リスク管理の徹底、治療機器の開発、診断機器の導入、技術の研鑽を行っております。手術に関するリスクについても詳細に説明いたしますので、ご心配事は当院医師にご相談ください。

手術費用

  • 新しい骨セメントと特殊なメッシュ袋を用いた本方式は、高い安全性と骨形成のスムーズさにより「日帰り」が可能です。そのため、健康保険の対象外であり、自由診療となります。
  • 1椎体のみの治療の場合は70万円(税込77万円)です。
    また、必要が有れば、2椎体目は50万円(税込55万円)、3椎体目は30万円(税込33万円)です。
  • 手術費用には、術後3か月間の検査代と診察代が含まれます。

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